宇宙は膨張している!
こっしー君,今回のテーマ「宇宙は膨張している」ということを最初に示したのは誰でしょう?
ちなみに,「赤方偏移」とは簡単に言うと,空間の膨張に伴って光などの電磁波が引き延ばされて波長が伸びる現象のことを言います。
ハッブル宇宙望遠鏡
ハッブルがウィルソン山天文台職員となった1919年には,直径100インチ (2.5 m)のフッカー望遠鏡がすでに完成していました.
それまでは,小さな望遠鏡しかありませんでしたので,観測されていたいくつかのぼんやりした天体(「星雲 (nebula)」と呼ばれていた)は,天の川銀河内の天体であると考えられていました.
しかし,ハッブルが1923年からこのフッカー望遠鏡を用いて観測した結果,このぼんやりした天体の中に,天の川銀河系の外にある銀河そのものが含まれていることを発見しました.
1924年,ハッブルはこの発見を発表しています.
また,ハッブルは,銀河を見かけの形状によってグループ分けする「ハッブル分類」も考案しました.
ハッブルの法則
「ハッブルの法則」を簡単に説明してもらえますか.
1929年,ハッブルとミルトン・ヒューメイソンは,セファイド(ケフェイド)変光星の明るさと変光周期の関係を用いて,銀河の赤方偏移と距離の間の法則を見出しました.
それは、2つの銀河の距離が遠ければ遠いほど、お互いが離れる相対速度も距離に比例して速くなるというもので,これが「ハッブルの法則」です.
では,1つずつ詳しく説明してもらってもいいですか?
まず「セファイド変光星」とは?
ちなみに,セファイド変光星は,種族Iのケフェウス座δ型(DCEP)と種族IIのII型ケフェイド(CW)に細分類されます.
変光範囲と周期はどのくらいですか?
この型の変光星には特徴がありまして,変光周期が長い星ほど絶対等級が明るいという性質があります.
これを「周期光度関係」と呼んでいます.
なお, は常用対数です.
【例題】
ある脈動変光星(種族Ⅰの変光星とします.)の変光周期が,4時間45分であると測定されました.
このときの実視等級は,9.2から9.6まで変光していました.
この変光星までの距離を求めてください.
次回までに解答を考えてみてくださいね.
ところで,今年のゼミナールは今回が最終回でしょうか?
こっし―君,よいお年をお迎えください.
宿題も忘れずにね.
問題:
宇宙のお話をするときに,欠くことのできない重要な物理定数がもう一つあります.
この定数は, [ T ] で表せます.その定数とはなんでしょうか.
に出てきた「定数」について今回お話しようと思っていましたが,
かなり大事な定数なので、それについてはもう少し時間をかけてゆっくりお話することにしましょう.
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和田先生のプロフィール
TMCシステムの研究責任者.電子情報通信学会の会員.
電気接点の劣化現象などに関する論文を多数執筆.
プライベートでは,ギター演奏・料理・読書と幅広い趣味を持つ.
こっしー君のプロフィール
TMCシステムの研究担当者.電子情報通信学会の会員.
得意分野は数学と機械工学.
趣味は読書.特技はペン習字.
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