振動現象の,自己と他者

和田先生
今回は,式(1)において, が0でない場合についてのお話です.

今までの話は,外力 がない場合のお話で,
いわば「振動現象の,自己」にあたることでした.

今回は が0でない場合についてのお話でして,
いわば「振動現象の,自己と他者」にあたることになります.

こっしー君
「自己と他者」
この言葉は,聞いたことがあります.
確か,R.D.レイン『自己と他者』(みすず書房 1975)という著作があったように記憶しています.

和田先生
そうですね.
R.D.レインは,イギリスの医学者・精神科医・精神分析家でして,その著作の一つが『自己と他者』です.興味があったら読んでみてください.
R.D.レインに興味がある人は,著作を読むのが一番ですが,Webでも色々解説されていますよ.
ここでは,
「他者の言動からの影響は,ほぼ全ての人が避けられない.」
という意味を込めています.
こっしー君
「系」は外力が0でない場合は,その振動現象は外力の影響を受ける,ということでしょうか.

強制振動

和田先生
そうですね.
これを,強制振動現象と呼んでいます.

では,解いてゆきましょう.今回は,,すなわち,の場合の話に限定します.

前回は,式(2)(3)を解いて一般解(7)が得られたのでした.
以下で区別が必要になってくるので,ここで,この式(7)で得られる一般解を

(8)

と呼びなおしてみます.

この解は,式(2)を満たしますので,

(9)

です.

このとき,今回考えている式(1)の解を, とします.この解を求めたいのです.
ちなみに のとき微分方程式(1)のことを,非斉次定数係数線形常微分方程式と呼んでいます.

こっしー君
どういたしましょう.
和田先生
より一般的な解法として,「定数変化法」という解法があります(ご要望があれば解説いたします.)が,計算が少し煩雑です.
我々は,まずは,外力 として初等的なものを対象とするので,「未定係数法」というより簡単な方法で解いてみましょう.
こっしー君
未定係数法!
でもそれは, が具体的な関数でないとできないような気がします.
和田先生
そうです.
そこで,振動試験機などでよく用いられている周期的外力の関数として,三角関数,sinを用いようと思います.
すなわち,

とします.これで,式(1)の代わりに,

(10)

を考えます.ここで, は周期的外力の角振動数です.この周期 で外力は周期変動をします.

さあ,どうしましょうか.

特殊解:

こっしー君
うーん.とりあえず,式(10)の解なので,

(11)

は成り立ちますね.

和田先生
そうですね.
そこで,式(9)式(11)の辺々を加えてみましょう.
こっしー君
やってみます.

   (12)

まとめられるものは,まとめると,

. (13)

さらに, (微分作用素または微分演算子といいます.)は線形なので,ある微分可能な関数 および においては,

でしたので,

   (14)

となりました.

和田先生
いいですね.
そこで,もう一度,

(15)

と,おきなおしてみると,この 式(1)の解であることになります.
そこで,一般解の形は,式(15)の形になると考えるわけです.

こっしー君
でも,やっぱり, はわかりませんよね.
和田先生
そこで,未定係数法なのです.
ためしに,

   (16)

としてみましょうか.

, (17)

となり,式(11)は,

(18)

(19)

.

を定数とすれば,

(20)

となります.

とは線形独立なので, が任意のとき,式(20)は成立しません.

(21)

としても,同様にうまくいきません.sinとcosの両方が含まれていないとうまくいかないことになります.

そこで,未定係数法では, および を未知定数(未定係数)として,

(22)

とおいて,式(11)に代入することで, を求めることをします.

さて,少し長くなりましたので,続きは次回にしましょう.

この記事と合わせて読みたいページ

greek_footer

bnr_chokobana

product-hammering_03


TMCシステムの研究・開発の最新情報を見る

和田先生のプロフィール

3pr_wada_sp

TMCシステムの研究責任者.電子情報通信学会の会員.
電気接点の劣化現象などに関する論文を多数執筆.
プライベートでは,ギター演奏・料理・読書と幅広い趣味を持つ.

こっしー君のプロフィール

越田さん120

TMCシステムの研究担当者.電子情報通信学会の会員.
得意分野は数学と機械工学.
趣味は読書.特技はペン習字.