のこぎり波
和田先生
こんにちは.
前回までの「振動現象の,自己と“ちょっと変わった”他者」では,1自由度振動系を想定し,以下の運動方程式を考えました(「振動現象の,自己と他者」1回の式(1)).
(1)
このとき,外力として,
(2)
とし, として,以下の式(3)を区間 に拡張した三角波を考えました.
(3)
そして,これをフーリエ級数展開して,
(4)
とし,式(1)より,
(5)
として考えました.
今回は,もう少し変わった他者(外力)として,のこぎり波を考えたいと思います.今回も,周期 で外力は周期変動をしますので,加えられる外力は,周期 を持つのですが,その関数形が初等関数で簡単に表せない場合に相当します.これが,今回の,“変わった”他者になります.「“ちょっと変わった”他者」から,「“変わった”他者」になりました.前回と同様に,外力をフーリエ級数展開していきます.
とし,のこぎり波は以下のように, の1周期分を区間 とし,その値を式(6)のように定義し,区間 の外では, を整数として となるように拡張します.
(6)
前回までの「振動現象の,自己と“ちょっと変わった”他者」では,1自由度振動系を想定し,以下の運動方程式を考えました(「振動現象の,自己と他者」1回の式(1)).
(1)
このとき,外力として,
(2)
とし, として,以下の式(3)を区間 に拡張した三角波を考えました.
(3)
そして,これをフーリエ級数展開して,
(4)
とし,式(1)より,
(5)
として考えました.
今回は,もう少し変わった他者(外力)として,のこぎり波を考えたいと思います.今回も,周期 で外力は周期変動をしますので,加えられる外力は,周期 を持つのですが,その関数形が初等関数で簡単に表せない場合に相当します.これが,今回の,“変わった”他者になります.「“ちょっと変わった”他者」から,「“変わった”他者」になりました.前回と同様に,外力をフーリエ級数展開していきます.
とし,のこぎり波は以下のように, の1周期分を区間 とし,その値を式(6)のように定義し,区間 の外では, を整数として となるように拡張します.
(6)
前回までは,連続関数だったので,あまり気にせずできましたが,今回は, を自然数全体の集合とするとき,
(7)
の点において,不連続になっています.どうしましょうか.
こっしー君
以前に「振動現象の,自己と“ちょっと変わった”他者」で出てきた,ディリクレの条件を考えます.
ディリクレの条件
こっしー君
式(6)において,ディリクレの条件を満たすことを確認をします.
連続点 において,
連続点 において,
(I) は区間 で1個の点 を除いて定義されていて,1価である.
(II) は周期 の周期関数である.
(III) とその導関数 は区間 で区分的に連続である.
今回の場合は, にも,導関数 にも,不連続点があります. で不連続なので確認します.区間 を2つの区間 , に分けます.
上の図で, は, において,端点 に近づけると になり, において,端点 に近づけると になります.
次に, は, において,端点 に近づけると になり, において,端点 に近づけると になります.
よって,区分的に連続であることになります.
連続点 においては,
(8)
不連続点においては,
(9)
となります.
のこぎり波のフーリエ係数
和田先生
前回と同様に,のこぎり波のフーリエ係数を計算してみましょう.
こっしー君
和田先生
計算してみてください.
こっしー君
和田先生
次に, をお願いします.
こっしー君
和田先生
今回は,ここまでにして,次回はグラフを描いてみるところからやりましょう.
こっしー君
それでは,次回もよろしくお願いします.
この記事と合わせて読みたいページ
和田先生のプロフィール
TMCシステムの研究責任者.電子情報通信学会の会員.
電気接点の劣化現象などに関する論文を多数執筆.
プライベートでは,ギター演奏・料理・読書と幅広い趣味を持つ.
こっしー君のプロフィール
TMCシステムの研究担当者.電子情報通信学会の会員.
得意分野は数学と機械工学.
趣味は読書.特技はペン習字.
※記事の内容に関するご質問などがございましたら、お問い合わせからご連絡いただくか、もしくはコメント欄↓にご記入いただければと思います。後日、担当者よりご連絡させていただきます。