変光星までの距離計算
【例題】
ある脈動変光星(種族Ⅰの変光星とします.)の変更周期が,4時間45分であると測定されました.
このときの実視等級は,9.2から9.6まで変光していました.
この変光星までの距離を求めてください.
はわかりましたか?
対象銀河が遠い場合の標準光源としては,Ia型超新星があります.
Ia型超新星(太陽の質量の約1.4倍)は,発生契機となる白色矮星がチャンドラセカール限界に定められた一定の質量となるため、ピーク時の絶対等級がほぼ一定(-19等ほど)となります.
そのため,見かけ上の明るさを測定することで,超新星爆発の起こった銀河までの距離を求めることができます.
極大時の絶対等級が光度曲線の関数として非常に一致していて,銀河系外の遠方の距離測定に有用です.
式(2)より,観測された実視等級を用いてその距離が求められます.
赤方偏移とは
前回「赤方偏移」とは,簡単に言うと,
空間の膨張に伴って光などの電磁波が引き延ばされて波長が伸びる現象のことを言います,
と説明しましたが,もう少し詳しく説明してもらえますか?
また「赤方偏移」を使うと何がわかるでしょうか?
「ドップラー赤方偏移」は光版のドップラー効果です.
音のドップラー効果とは少し式の形が違いますので,導いてみます.
光などの電磁波を対象とし,光源と観測者(光の受け手)の相対速度が光速に近いような場合は,ガリレイ変換が成り立ちません.
ガリレイ変換では,光速度不変の原理に矛盾するのです.
そこで,ローレンツ変換を導入します.
1.相対性原理:慣性系(座標系)の相対性
2.光速度不変の原理
3.運動速度が小さい場合は,ガリレイ変換に一致
のもとで,時空を考えるのです.
少し難しいのですが,この導出を宿題とします.
頑張ってみてください.
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和田先生のプロフィール
TMCシステムの研究責任者.電子情報通信学会の会員.
電気接点の劣化現象などに関する論文を多数執筆.
プライベートでは,ギター演奏・料理・読書と幅広い趣味を持つ.
こっしー君のプロフィール
TMCシステムの研究担当者.電子情報通信学会の会員.
得意分野は数学と機械工学.
趣味は読書.特技はペン習字.
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