おすすめ公式集
今日はまず,私のおすすめの公式集をご紹介しましょう.
森口繁一 ,一松信,宇田川銈久 「岩波 数学公式 1 微分積分・平面曲線」(岩波書店)
森口繁一 ,一松信,宇田川銈久「岩波 数学公式 2 級数・フーリエ解析」(岩波書店)
森口繁一 ,一松信,宇田川銈久「岩波 数学公式 3 特殊函数」(岩波書店)
の3冊です.
“数学が物理学をはじめとした自然科学にどのように応用されているか”といったことに焦点を当てた,
寺沢寛一「自然科学者のための数学概論 増訂版」(岩波書店)
寺沢寛一「自然科学者のための数学概論 応用編」(岩波書店)
があります.
Clarence Raymond Wylie, Louis C. Barrett 「Advanced Engineering Mathematics」(McGraw-Hill)
は,解説が詳しくてわかりやすいです.
新井朝雄「現代物理数学ハンドブック」(朝倉書店)
というものもあります.
岩瀬重雄「高校数学公式活用辞典」(旺文社)
があります.
寺田文行,樋口禎一「高校数学解法事典」(旺文社)
があります.
次元解析
問題:
公式を忘れてしまい,公式集もないとき,私はある方法を使います.
その方法とは何でしょうか?
の答えは「次元解析」ですね.
例によって,「大体」でやります.
[MT]
なので,振動周期という次元 [ T ]の物理量を見つけるために, と から, の次元である[M]を消してやればいいので,
[ T ]
となりますので,振動周期 は,
[ T ]
となります.正確には,
[ T ]
です.
これを数学的に正確に解くには,2階定数係数斉次線形常微分方程式を解く必要があります.
詳しくは,【和田先生のなるほどゼミナール2】振動現象をつむぐ,中学校の数学2以降を参照してください.
ところで,物理定数を単位に組み込みますと,先ほど挙げました7つの基本単位の内の2つで表せます.
まずは,電流 です.
電気素量 ≒ を用いますと,
≒
となり基本単位のうち のみとなります.
長さに対しては,真空の光速度という物理定数を使います.
今,真空の光速度:
≒
を用いますと,
≒
となりまして,基本単位のうち のみとなります.
実際,4次元の時空の座標は,逆に時間を長さに換算して, と表します.
次は,質量 です.どうしましょうか.
≒
を用いますと,
となり,上の より,
≒ ≒
となって,基本単位のうち のみで表せることになりました.
次に,物質量 ですが,アボガドロ定数 を用いますと,
≒
より,
≒
となって,どの基本単位も使わずに表せることになります.
≒
を用いますと,
は なので,上の と より,
≒ ≒
となって, は基本単位のうち のみで表せることになります.
最後に,光度 ですが,これは人が放射エネルギーを明るさとして感じるときの感じやすさである視感度が関わってきますので,独特のものです.
ということで,基本単位のうち と の2つで表せることになりました.
で表せることになります.
これは, に注目した結果ですが, , , , のどれに注目しても同じことになります.
そして,【和田先生のなるほどゼミナール14】わたしたちの宇宙のみじめな最期3で出した宿題
問題:
物理量を表す単位は,最低いくつ必要でしょうか?
そして,その単位は何でしょう?
の解答の2つ目は,物理定数を単位に組み込みますと,SIの7つの基本単位の内「2つ」あればいいことになります.
でも,使い方次第では便利ですよ.
問題:
宇宙のお話をするときに,欠くことのできない重要な物理定数がもう一つあります.
この定数は, [ T ] で表せます.その定数とはなんでしょうか.
我々の「宇宙」の代名詞のようなものですよ.
次回は,この定数のお話から始めましょう.
題して「膨張宇宙の発見」です.
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和田先生のプロフィール
TMCシステムの研究責任者.電子情報通信学会の会員.
電気接点の劣化現象などに関する論文を多数執筆.
プライベートでは,ギター演奏・料理・読書と幅広い趣味を持つ.
こっしー君のプロフィール
TMCシステムの研究担当者.電子情報通信学会の会員.
得意分野は数学と機械工学.
趣味は読書.特技はペン習字.
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